かんじんなことは目には見えない
星の王子さまの、名言を聞いたことがあるでしょうか?
キツネの教えてくれた『かんじんなことは目には見えない』という言葉。
物語の冒頭でも、六歳の頃にかいた、ウワバミの外側とウワバミの内側の絵を並べて、“大人には外側しか見えない”こと、“本質は目には見えない内側にある”こと伝えています。
形や外側に惑わされず、
心の目で見ること。
このことこそが、サン=テグジュペリが伝えたかった1番たいせつなメッセージではないでしょうか、、、
ウワバミの外側と内側の絵
六歳の頃に読んだ本には
こんなことが書かれていた。
「ウワバミというものは、そのえじきをかまずに、まるごと、ペロリとのみこむ。すると、もう動けなくなって、半年のあいだ、ねむっているが、そのあいだに、のみこんだけものが、腹のなかでこなれるのである」
出典元:星の王子さま(岩波少年文庫)
①ぼくの第一号の絵
ぼくは六歳の頃に第一号の絵をかきあげた。
ゾウをこなしているウワバミの絵だ。
出典元:星の王子さま(岩波少年文庫)
大人たちはみんなこの絵を見て
それは帽子だと言った。
大人っていうのは
外側しか見えないんだ。
だから、大人にはよくわけを説明してやらないといけない。そうしないと何もわからない。
②ぼくの第二号の絵
ぼくは大人たちのために、ウワバミの中身をかいた第二号の絵を書き上げた。
出典元:星の王子さま(岩波少年文庫)
けれど、大人たちは
外側をかこうと内側をかこうと
ウワバミの絵なんかはやめにして
地理と歴史と算数と文法に精を出しなさいという。
ぼくは、がっかりした。
大人の人というのは
自分では何一つわからないのです。
しじゅう、これはこうだ、、、と説明しなければならないと、子どもは疲れてしまうんですけれどね。
大人というのは、そんなものです。
心の目がないのです。
それっきり
絵をかくことをあきらめて、
ぼくは飛行機の操縦士になりました。
たくさんの偉くって立派な大人たちと、あきるほど近づきになりました。
ぞんぶんにおとなたちの世界で暮らしました。
すぐ近くで大人たちを観察しました。
だけど、大人になっても、
ぼくの考えはたいして変わりませんでした。
物わかりのよさそうな人に出くわすたびに、いつも、ゾウをこなしているウワバミの第一号の絵を見せました。
心の目で見られる人か
本当に大切なことがわかる人か
確かめたかったのです。
でも、答えはいつも決まって
それは帽子だでした。
がっかりしたぼくは、
心の目に見える本当の話はやめて
大人の好きな外側の話をして、大人のふりをして生きてきたのです。
そうすると、まわりのおとな達はたいそう満足そうでした。
そんな調子だったので
6年前に砂漠でふしぎな少年に出会って、心を通わせるまで、ほんとうにわかり合える心の目をもった人に出会えず、ひとりきりと感じて生きてきたのです。
星の王子さまには、
絵に描いた空っぽの箱のなかに羊がみえました。
ぼくが第一号の絵(ウワバミの外側)を見せたときも、『ウワバミに呑まれたゾウの絵なんかいらないよ!』と言って、ぼくを驚かせましたね。
王子様にはいつも、大人には見えないものが見えていました。
コロナ自粛と星の王子さまの世界
今、どうしてこんなに星の王子さまの物語が気になるのか、、、。
何度も何度も読みたくなり
自分自身の感じた星の王子さまの世界を伝えたくなったのはなぜなのか?
不思議でした。
正直言うと
他の記事ほど反応もなく
誰からも求められていないこの記事´д` ;
それでも書いてきて、今(2020年4/22 に追記しています)やっとその理由が自分でわかったような気がしています。
このコロナウィルスによる世の中の変化で、自粛期間が強制的にやってきている今、そんなときにこそちゃんと知っておかなければいけない、伝えたいメッセージが星の王子さまの中に込められているからじゃないだろうか、、、?と。
サン=テグジュペリが伝えたい
この物語に込めたメッセージは
自分の心に耳を傾けて
自分の心に問いかけて
自分自身と対話する
そんな時間が大切だよ
ということ。
急ぎすぎたり、物質的な豊かさばかりを追い求めて、本当の幸せや目的を忘れてしまっている私達に、立ち止って、魂と対話することの大切さを教えてくれている物語だからなのです。
長い自粛期間、、、ゆっくり自分の内側を見つめたり、気になっていた本をゆっくり読んだり、いままで忙しくてできなかったやりたかったことに、じっくりと向き合ってみるのもいいかもしれません。
本の紹介
星の王子さまは、長い人生の途中で立ち止まりたくなった時に、手に取ってみてほしい、、、そんな物語です。
迷ったとき
悩んだとき
立ち止まりたくなった時
優しく寄り添ってくれる物語です。
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本の紹介
★長く親しまれてきた内藤 濯さん翻訳の星の王子さま★
KAKA